彼は僕が好きだと言った。
僕も彼が好きだと言った。

幸せだった。

隣で彼が微笑んで。

普段みられない表情が見られて。

この時間が長く続くとは心の隅では無い。
そう感じていたが

終わりがあっさりと来るとは思っていなかった。


「…古泉。俺ハルヒの事が好きみたいなんだ。」

僕の事を好きだといっていた唇が唐突にそう告げてきた。

「でもっ。俺お前のことが好きだったんだ!なのにっ…なんっで…」


目から涙を溢れさせながら
自分の中に存在する相反する感情に戸惑っている

「俺。お前のことが好きだって気持ち忘れたくない。いやだ…やだ。」

宥めるように、彼を抱きしめてきっと僕も泣いていたように思う。

長い間彼に想いを募らせていた神の力が彼に完全に作用するのにそう時間はかからなかった。





彼は今、神の横で以前僕に向けていた微笑を彼女にだけ見せている。




そのお陰か

閉鎖空間はもう発生していない。

平穏な日々をただただ過ごしている。




でも僕の平穏な日々は…こんな日々ではない。


僕は彼が好きだ。

いくら僕が彼を想ってもその想いは神にかき消されてしまう。
それでも僕は日々彼を想う。



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