古泉は俺をみてない。
いや。瞳には俺をうつしている。それはもう年がら年中。
痛いほど視線を感じる。
だが、その頭の中は、全てハルヒのことでうまっている。
どうすればハルヒの機嫌を損ねないか。
どうすれば俺がハルヒとくっつくのか。
なんで俺が知っているのかって。
本人に言われたからだ。
俺はそれを聞いて。
年がら年中そんな事を考えていると今に頭がイカれるぞ。
そう毒ついてやった。
毒をはかずにいられなかったんだ。
古泉の脳内がそんなことで覆われていると知る以前も
それはもう。前述したとおりに痛いくらいの視線を浴びていたわけだ。
きっとその強い眼差しのせいだろうな。
いつの間にか俺は古泉に惚れていた。
だから。
その話を聞かされたときは冷や水をかけられたみたいに、全身が冷たくなった。
だって、俺は古泉に惚れられていると自惚れていたからな。
はやく。はやく。古泉をあきらめなきゃいけない。
じゃないと、古泉より先に俺が狂うだろうな。
あの視線のせいで。
だが、見るのやめてくれとは言えない。
そんなの寂しすぎるからな。
きっと耐えられないに決まってるしな。
まだしばらく。
俺がお前をあきらめられるまで。
視線を感じるときは、お前は俺に惚れてるんだって思ってもいいか?
じゃないと。
心が壊れそうになる。
あぁ。
お前なんかに惚れなければよかった。
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