「あなたは幸せな人ですね。」
とある休日の昼下がり。

まったりと2人で何をするでもなく、
古泉の肩に頭を預け、俺は雑誌を読み耽っていた。
とそんな時、何の前触れもなしに先ほどのセリフを呟かれたのだ。
「いきなりなんだ?何が言いたい。」
頭を起こし訝しげな視線を送ってやる。
「そのままの意味ですよ。この僕と付き合える。
それだけで、この世の幸せを独り占めしたも同然です。」
…絶句した。
付き合って半年。なんとなくこいつはナルシストなんだろうとは思っていたが

まさかここまでとは…


何も言わない俺を気にせず。
自分がいかにできるか、どれほど格好いいかを説明しつづける古泉を見ていて
ツッコミをいれるのも
溜め息を吐いてやるのも面倒くさくなるくらい、虚脱感に襲われる。
が、
こんな馬鹿な所も可愛いと思ってしまう。
あまつさえ、お前と付き合えて、世界一幸せだって本気で頷けてしまう
俺と古泉。どっちが馬鹿なんだろうな?



text