団長様から早退を許された俺は、北高前の長い長い坂を古泉と下っていた。
歩いている俺の手に鞄はなく、かわりに古泉が2つ鞄を手にしている。
鞄くらいは自分で持てると言ったんだが、体調の悪いときくらい、僕を頼ってください。
そう言われ。実際鞄を持つのもしんどい状態だったから。正直有難かった。
かなりゆっくりとしたスピードで歩いているにもかかわらず呼吸が乱れる。
めったに風邪なんか引かないせいか、熱に弱いんだ俺は。
「大丈夫ですか?部室を出るときよりも苦しそうですよ。」
「…段々熱があがってきたみたいでな。歩くのもちょっとつらくなってきた。」
視界もちょっとぼやけてきたみたいだ。
「よければここからあなたの家よりも、僕の家に来る方が早いですよ。
よければちょっとよっていきませんか?」
幸い明日も休日ですし。なんなら、泊まっていかれてもいいですよ。
そう古泉は続けた。
いつもなら断っていただろうが、俺も限界だったんだ。
「悪いな…そうさせてもらう。」
古泉の家につくと、ネクタイを解き、ブレザーを脱いで布団に倒れこんだ。
「あぁ。今着替えを用意しますから、ちょっと待っていてくださいね。」
すまん。そう返事をかえそうと思ったが、声が擦れてでなかった。
どこまであがるんだ、俺のこの熱は。
「お待たせしました。」
俺の着替えを手に古泉は戻ってきた。
チラっとそれを目だけで確認する。身体を起き上がらせるの無理のようだ。
古泉の手がイキナリ額に触れてきた。
その瞬間に皮膚がビリビリとしびれるような感覚がして、ビクっと身体が震えた。
「おや。熱いですね。くるしでしょう。着替え手伝います。」
そんな俺の異変に気づかなかったのか、
心配そうな表情を浮かべた古泉の手は1つ1つシャツのボタンをはずしていく。
臍のあたりのボタンをはずしているときに古泉の指先が俺の肌を掠めた。
そのちょっと触れられた部分が熱をもつ。
そこに気をとられていると、ボタンすべてはずし終ったシャツを脱がされた。
「あっ…!」
「? どうしました?」
脱がされるときに乳首の上を布地がこすっていった。
おい嘘だろ。その感触だけで俺のは立ち上がりはじめた。
まずいこのままでは…古泉に気づかれる。
脱がされるだけで立ってしまったなんて、知られたくない。
「古泉…いっ……いいから、着替えくらい自分でする…。」
「いえ大丈夫ですよ。意識のないあなたを毎晩着替えさせてるのは僕ですからね。」
ご心配なさらず。
ながい指が俺のズボンのボタンをはずしチャックを下ろす。
「ちょっ本当に待ってくれ古泉っ」
抵抗をしようと手を伸ばすがあっさりとズボンを抜き取られてしまった。
古泉の目に主張をはじめた俺自身が見られてしまう。
「おや…?体調が悪いというのに何を期待なさってるんですか?」
一瞬目を開いて驚いた風な表情をつくったが、
その表情はすぐにニヤリとしたような顔になった。
それをみて嫌な予感しか沸かないのは当たり前だろう。
そしてその予感は当たるんだ。
「あっ…!やぁっあっ!!」
きつく俺自身を握りこまれた。
信じられない事にそれだけで俺は精を放ってしまった。
「早いですね。パンツが汚れてしまいましたよ。」
恥ずかしい。穴があったら入りたい。
でも握られただけじゃないような快感が駆け巡ったんだ。
頭がボーっとする。
「気持ち悪いでしょうから脱がせてさしあげます。」
ズルっと俺の精をすってぐっしょりとなっているパンツを脱がし床に放った。
「今さっきだしたばかりなのにまだまだ元気ですね。」
すっきりさせてあげますね。と俺自身を口に含んだ。
くびれ部分を唇でキュっとしめあげ。
舌先で穴をチロチロと舐める。
その快感は痛いくらいだ。どうしちまったんだ俺の身体は。
「はぁっ…あやめろ…んっ。」
「気持ちいいでしょう?止める必要はないかと。」
銜えながらしゃべるな!
「体調不良のっ…!人間に何を…」
このままじゃ俺の頭がおかしくなる。そうなる前に止めさせようと古泉の頭を掴んだ。
効果があったのか古泉が顔を上げた。
「体調不良じゃないから大丈夫ですよ。」
「は?」
いまコイツなんていった?
「あなた、チョコをお食べになったでしょう?」
「…なんで知って…まさか!あれはお前がっ!」
「そのまさかです。中に遅効性の媚薬も入れさせて頂きました。」
今日一番の笑顔でそう言い放った。
「なんでこんなことっ…」
「ちょっとしたイタズラですよ。」
イタズラで恋人に薬を盛るのかお前は。
「いえ…あなたが僕に下駄箱にはいったチョコの存在をいえばこうならなかったんですよ。
僕という恋人がいながら、黙っていた罰。お仕置きです。」
そういうと、古泉は口の動きを再開させた。
「あっん!だって…」
言い訳は聞きたくありませんとばかりに舌使いを激しくしてくる。
「もう…だめっ古泉!」
そしてあっという間にまた果ててしまった。
口の中に放った精を古泉は右手の手の平に吐き出すと
そのまま俺の後ろの穴へとぬりつけた。
「よくほぐれてますよ。まだ入れたばかりですのに。中が火傷しそうなほどに熱いです。」
「やっやっ。本当におかしくなるからやめて。」
「だめですよ。これはお仕置きですから、懇願されてもやめません。」
水音を立てながら古泉の長い指が2本俺をかきまぜる。
いい部分をこすられ、またいきそうになったところで指を抜かれた。
「あんっ…あっ…なんで?」
「んふ。思いついたんです。これだけ熱いとチョコも中で簡単にとけるだろうとね。」
すごく嫌な予感が頭を掠めた。
俺の鞄をゴソゴソとさぐって、中から箱をだした。
俺がこうなってしまった原因の箱だ。
そこからひとつチョコを摘み出す、嫌な予感は的中して
その摘みだしたチョコは当然のように口には運ばれずに、俺の後ろへ差し入れられた。
「やっやっだ古泉!」
「僕からのバレンタインチョコですよ。美味しく頂いてくださいね。」
いれられた場所から甘い疼きがとまらなくなる。
「あっ。やめっ…ホンとにも…無理ぃ」
遅効性の媚薬じゃなかったのかよ!
もう何も考えられない。
「ふふ。粘膜からの摂取はよーく効くんですよ。
さて、十分ほぐれましたね。」
ズボンを下ろし、入り口に当てられた古泉はすごく熱くて。
思わず腰がゆれた。
「誘っているんですか?」
俺は今薬のせいでおかしくなってるんだ。
だから。これは俺のせいじゃない。薬のせいだ。だから…。
「うん。はやく…はやく挿れて…」
「っ!仰せのままに」
そして古泉に貫かれた。
「あぁ!!」
「挿れられただけでいってしまうとは…すごい効き目だ。」
でもまだまだ大丈夫そうですね。
また立ちあがり始めた俺自身を掴むと、後ろで律動を開始した。
後ろで熱い古泉の猛りを感じながら。俺の意識は遠のいていった。
その後何回やったか分からない。
きがついたら次の日の昼だったんだ。
太陽の光がきついなんてもんじゃない。殺人光線か。
ベッドはベタベタになっていた。
そして俺自身はボロボロだ。
今回の現況である古泉は、スッキリとした顔で寝息をたてている。
思わず殴ってやろうかと拳をふりあげたが、
腰の痛さでそれは叶わなかった。
「お1人で何をなさってるんですか?」
ベッドの振動で目が覚めたのだろう。
せめて文句を言ってやろうと口を開こうとしたがそれを唇でふさがれてしまった。
「ん…。んっ。んん。」
「…薬のせいでも。素直に気持ちいいと口にして、乱れるあなたは可愛かったですよ。」
!!!
「おや顔が赤くなっていますよ。まだ薬が?」
うっうっるさい。
チクショウ。ホワイトデーは覚えてろよ!
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